こんにちは、ゆらです。
平らなところを歩いているのに、つま先を引っ掛けてしまう。あるいは階段を昇っている時につま先が上がり切らず、段に乗り損なってコケて手をついてしまう。
そんな経験のある50代の方、いらっしゃいませんか?そう、まさに私がそうなんです。
と気づいてはいたのですが、特に気に留めていませんでした。
ところが先日、平地で、右足のつま先が石畳みのわずかな隙間に引っかかってしまい、そのままアゴから転倒して、歯を損傷するケガをしてしまいました。(歯茎の骨が骨折し、ギブスのようにプレートで6週間、前歯を固定)
流石に危機感を持った私、つま先が上がらなくなる原因とその対策を調べてみました。そんな中で出会ったのがこの本。
アシックスといえば日本の代表的なランニングシューズメーカーですね。そのスポーツ工学研究所が長年集めた日本人の足形、歩き方のデータを元に書かれた歩き方に関する本です。
老化による筋力の衰え、だけではかたづけることの出来ない、50代からの大きな変化がある、ということ、そしてその変化を迎えた50代が、100歳まで元気に歩くためにどうすれば良いのかを教えてくれます!
この本お勧めのエキササイズを、早速始めてみました。やがては効果の程もご紹介しようと思いますが、(←自分にプレッシャー!笑)ここではこの本によって教えられた目からウロコの50代の足の真実と、鍛え方をお伝えしていこうと思います。
50代から起こる足の変化
足の構造 3つのアーチについて
まず、この本で紹介されているのが足の3つのアーチ。足の裏には3つの支点があります。カカト、親指のつけ根、小指のつけ根。3つのアーチとは、その3点を結んだ曲線。
- 親指のつけ根と小指のつけ根を結ぶ横のアーチ
- カカトと親指のつけ根を結ぶ、足の内側の縦アーチ
- カカトと小指のつけ根を結ぶ、足の外側の縦アーチ
この3つのアーチがクッションの役割を果たし、着地したときの衝撃を吸収したり、足を蹴り出すときのバネの役割を果たします。この3つのアーチが、年齢と共に崩れて行くことにより、足の形が変わってきます。長年に渡って、私たちの体重を支え続けているうちに、支えきれなくなるのですね。さらに、カカトも前方に傾く人が多く、すると前足部により体重がかかり、より横アーチは潰れ、縦のアーチのバランスも崩れていきます。
幅広足の弊害
アーチが潰れて、幅広の足形になる、ということは、衝撃の吸収力は低下し、よりダメージを受けてさらにアーチが潰れて行く、という悪循環に陥ってしまいます。足の外側に体重がかかりやすくなり、すると膝の内側に力がかかるので、膝の内側の軟骨がすり減って、痛みが生じるのだそう。
アーチを守っていくことが、これから先、長く元気に歩くために大切なことである、ということをこの本で学びました。さて、では具体的に、どのようにして守っていけば良いのでしょうか?
アーチを鍛えるトレーニング
アーチを鍛えて、さらにむくみ解消にも良いというトレーニングが紹介されています。
タオルギャザリング
足の下にバスタオルを敷いて、足の指先を使って手前に集めて行く、というとてもシンプルなトレーニングです。弱った指のトレーニングをすることで、足裏の筋肉が鍛えられ、アーチを維持するのに役立つのだそう。
足じゃんけん
文字通り、足の指でグー、チョキ、パー、を作る運動です。
50代からの足の衰えに対抗する歩き方
このように、加齢と共に筋力が衰えることはもちろん、アーチの崩れによる足形の変化に伴い、歩き方も変化していきます。より楽で安全な歩き方をする傾向になります。
- つま先を持ち上げずにペタペタとすり足で歩く
- 左右の足を離したり、足を外側に向ける(身体の重心の揺れを安定させるため)
無意識に筋力の衰えをカバーしようとするわけです。ところが、楽に歩くとますます筋力は衰え、姿勢も悪くなっていきます。
理想の歩き方の前提となる2つのポイント
「身体にある程度負荷をかける」とは具体的に言うと、
- 可能な範囲で速く歩く
- 歩行姿勢を整える
以上の2点がポイントとなります。速く歩けば運動効果も高まり、筋力も自然と鍛えられます。そして、猫背だったり、腰が曲がったり、姿勢が崩れていては、運動能力も低下してしまい、同じ運動をしても運動効果が減衰してしまいます。姿勢を整える効果について、以下の例が挙げられています。
腰の曲がった人の骨盤を矯正して、運動能力がどう変わるか調べたところ、跳躍力が上がりました。筋肉がどれだけ活動しているかは、「筋活動量」と言う指標で測られのですが、筋活動量も明らかに増えたと言うデータがあります。
第2章「50歳を過ぎると、歩き方はこう変わる」 理想の歩行姿勢とは P.92 参照
それを踏まえた上で、本書が勧める理想的な歩き方をご紹介していきます。
実践 理想的な歩行姿勢とは
身体の使い方のポイントをまとめてみます。
頭 | アゴを引いて、遠くを見る。 頭の揺れを抑えて、身体の揺れを防ぐ。 |
呼吸 | 鼻で吸い、口から吐く。 腹式呼吸で、運動効果を高めよう。 |
体幹 | 肩を開く。 背筋を伸ばす。 骨盤を立てる。 |
腕 | 肘は軽く曲げ、身体の後ろに深く引くように振る。 肩はリラックス。 |
脚 | 膝を曲げない! かかとから着地し、親指のつけ根でしっかり蹴る。 足を振り出すときにつま先を上に反らせるイメージ。 |
ストライド | なるべく大きく。みぞおちを軸にして、足を振り出すイメージ。 腰をしっかり回し、脚を根元から使う |
このように体勢を整えた上で、出来るだけ速く歩くことを推奨しています。
速く歩くことのメリット
速く歩くことのメリットについて、この本では複数挙げられています。
- 足にかかる負荷がランニングの半分。足のアーチを保護しつつ、筋力をつけることができる。膝、足首等の故障が少ない。
- 速く歩くことは、ランニングに近しい運動効果がある。
- 歩き方において、若々しく見える最大の指標は「スピード」である。
そして、時速7キロのウォーキングを勧めています。この「時速7キロ」にも意味があります。
なぜ時速7キロなのか?
では、なぜ時速7キロなのか、その理由が明快に述べられています。
時速8キロの場合、歩いても走っても、エネルギー消費量はほぼ同じになる。
時速8キロより遅い場合、歩くより走った方が、エネルギー消費量は多くなる。
時速8キロより速い場合、走るより歩いた方が、エネルギー消費量は多くなる。
第3章 ファストウォーキングの進め なぜ時速7キロなのか? P.105 参照
時速7キロウォーキングを実践してみよう
時速7キロって、どれくらいのペースなんだろう?
一般的な歩行速度は時速4〜5キロと言われているそうなので、時速7キロで歩くのは大変そうです。
まずは、週4回、10分歩いてみよう!
さて、実際にウォーキングを始めるに当たって、本書では初級から上級まで3つのプランが用意されています。
初級 まずは10分歩く
中級 より速いスピードで20分間歩く
上級 さらに速いスピードで30分歩く。最大45分が目標
初級の、「まずは週4回、10分歩く」であれば、通勤時間がぴったりですね!私の場合は、家から駅まで10分弱、駅から会社までが15分程歩きます。これは取り組みやすい!ということで、カバンもトートバッグからリュックに切り替えました。
徒歩キャンプに行ったときに痛感したのですが、登山用に作られたリュックって、背負いやすいんですよね!さすがに通勤に55リットルは大き過ぎるので、たまたま持っていたアコンカグアというメーカーの25リットルリュックを使っていますが、やっぱりとても楽に背負えますね!
実は今、オスプレイのリュックが欲しくて。。とても背負い心地が良さそうです!
さて、中級と上級では、追加のトレーニングとして、「インターバルウォーキング」を取り入れることが推奨されています。
インターバルウォーキングとは?
最近の研究で、このような強度の低い運動だけでは、加齢によって衰えていく筋力を維持するのは難しいことがわかってきました。しなやかで力強い体をいつまでも維持するためには、より強度の高い無酸素運動もバランスよく取り入れることが必要というわけなのです。第3章 ファストウォーキングのすすめ インターバルウォーキングのすすめ P110参照
靴の重要性
さすがにアシックス工学研究所によって書かれた本なので、靴選びの重要性と、アシックスの靴の性能について詳しく述べられています。
足に合った靴を選ぶ方法
靴の大きさは、足長と足囲(背伸びをしたときに、足指のあたりで折れ曲がる関節があります。その関節の周囲)で決められています。24センチのEとか2Eとか。サイズはあくまで目安なので、実際に履いてみて自分の足にフィットする靴を選びましょう。ポイントは次の通りです。
- 足の長さは、つま先に1センチ程隙間があり、指がしっかり伸びること。
- かかと、アーチがサポートされ、足が前へ滑っていかないこと。
- 両足で立っているときには、少し足と靴に隙間がある。
- 片足で立つと、足にピッタリフィットし、土踏まずの形にしっかりサポートされている。
ランニングシューズはウォーキングにも向いているのか?
この本を読むまでは、ランニングシューズでウォーキングしても良いのだろうと思っていました。ところが、両者の設計は全く異なっていることを知りました!例えば、
ランニング 常に片足しかつかない。→ 中足部に大きな力がかかる → 中足部は硬く、厚く。
ウォーキング 両足つく時間が長い → 中足部にかかる力は小さい → 中足部はたわんで、効率よくエネルギーを推進力に。
やはりウォーキングとランニングは身体の使い方が全く異なるので、ウォーキングにはウォーキングシューズを履いた方が、より効率よく、身体にも優しく、結果に結びつきそうです!
まとめ
アシックスが持つ足形のデータはなんと100万人分にも及ぶとのこと。膨大なデータの蓄積と分析から、50代からの足形や歩き方の変化を導き出されたのですから、とても説得力があります。
そして、50代以降に歩き方を見直し、鍛えていくことで、老後も元気に歩けるかどうかに大きく影響する、と言うことを学べて本当に良かったと思います。
そして、本書には足のトラブルについても詳しく述べられています。外反母趾やO脚、膝の痛み、ウオノメやタコに悩んでいる方の参考にもなると思います!
では最後に本書から学んで、心に残ったことを、以下にまとめてみます。
なかなか週4で自転車に乗ることは出来ませんが、通勤を利用したファストウォーキングなら出来ます。そして、週末のサイクリングにも役立ちますし。もう、メリットしかありません。元気で可愛いおばあちゃんを目指して、頑張ろう!